木漏れ日に包まれた広場と公衆トイレの提案

「立田山憩いの森」は市街地に残された自然緑地として、多くの人に活用されてきました。豊かな自然環境に囲まれながら、森の散策や、広場でのアクティビティを楽しむことができる身近な緑地として親しまれています。この駐車場を併設した公衆トイレの建設地は、憩いの森を訪れた人を出迎えるための玄関口とも言えます。山林と広場に囲まれた土地に、自然と建築が一体となった風景をつくり、訪れた人を心地よく出迎える広場のような休憩場所と、誰もが安心して使用することができる公衆トイレを提案します。

公衆トイレの屋根と連続する1枚の屋根が、背後の山林に沿うように敷地を囲いとり、敷地内の樹木を巻き込みながら、この場所でしか実現することができない風景と場所をつくります。熊本県民の生活に欠かすことができないふれあいの場として、よりたくさんの人に長く利用されることを期待し、広場や山林とともに、訪れた多くの人々を楽しませることができる建築について考えました。

風景をつくる屋根

大らかな山の風景に応答するように、山の輪郭線に沿って1枚の格子屋根を架けます。山の木々による自然の壁と、新たに架けられた屋根によって、敷地全体を囲い取ります。屋根の一部はパーゴラとなっており、格子の隙間から落ちる光が樹木の木漏れ日と重なり合い、光に満ちた美しい風景を創り出します。周囲に広がる多様な自然と、シンプルな格子の1枚屋根によって、敷地内に様々な場所がつくられます。木漏れ日の下に設けられたベンチが小さな休憩所となり、訪れた人々は美しい風景の中に身を置き、憩いの時間を過ごします。

地面の舗装によるゾーニングとバリアフリー化

地面の舗装によって、駐車場と駐輪場、公衆トイレの配置ゾーニングを行います。敷地の輪郭と休憩場所となる既存樹木の足元をつなぐように歩行者通路を舗装します。駐車場と駐輪場は南側にまとめて計画することで、お祭り広場や遊歩道への出入りをする歩行者との動線を分離し、利用者の安全を確保します。どこからでも歩行者通路へと入ることができ、緩やかなスロープと階段によって公衆トイレへアクセスすることができます。誰もが安心して利用することができるバリアフリーな公衆トイレとなります。

用途 :​公衆トイレ

コンペ:​立田山憩の森・お祭り広場公衆トイレ 

    公開設計競技2020

場所 :熊本県熊本市

担当 :根岸陽 

​時期 :2020.05