​つみきの家

    私たちは、文明をはぐくんできた自然環境との共生によって多くの恵みを獲得してきました。

    2011年3月11日、東日本大震災が発生。この自然災害によって、多くの建物が地震により壊され、津波によって流されました。震災復興を目指す沿岸部では、津波に対抗しうる強固な都市を築き上げるため、土地は高く盛り上げられ、巨大な堤防が整備されようとしています。

    私たちが生きるこれからの世界は、自然環境と切り離された都市と、戦後復興期からおよそ60年の間に広がった閉塞的な社会がつくる未来となりつつあります。

    この先、私たちが生きていく世界が、自由で開かれた未来となることを期待し、個人的な所有物である戸建て住宅のあらたな可能性について考えました。

    つみきのように積み上げられた四角と三角の箱が、庭の樹木と寄り添うように、地下から上空15mの高さまで重ねられます。回転した箱の隙間は、各階の内部と連続したバルコニーとなり、生活の一部は外部に開かれ、意識が日常的に周辺の外部環境へと向けられます。

    建物が縦に重ねられることで生まれる地上の余白は、人が自由に出入りできるオープンスペースとなり、敷地の一部は他者との共有物となります。

    同じ町で暮らす住民一人ひとりが、他者を受け入れ、社会とつながり、周辺環境の変化を意識した暮らしが可能となる、新しい住宅の未来像を提案します。

    コンペ:生きるための家

    担当 :根岸陽

    ​時期 :2011