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高台の大窓

築40年の木造二階建て、分譲戸建て住宅の増改築です。敷地は南側に向かって下る雛壇造成された丘陵地の上部に位置しています。建て主が気に入り、購入を決めた高台からの “眺望”を手掛かりとして改修の計画をおこないました。

既存建物の構成は概ね受け入れ、必要以上の間取りの変更と、眺望への意識を妨げてしまう、即物的なディテールや新旧を対比させるような抑揚の強い空間表現を避けながら、前面に広がる景色を最大限に取り込んだ住宅の改修について考えました。

建物の前面を横切っていたベランダを内部化し、部屋全体に自然光がいき届くように、全面開口部の縁側空間を新たに設けました。この大きな窓からは、街と空の境目を横断する山々のシルエットをパノラマで見ることができ、視界の半分以上は果てしなく広がる空の景色で満たされます。窓から注ぐ光と風を全身で受け止め、外に広がる壮大な景色に身を委ねれば、街や空と一体化したような開放感を味わうことができます。この贅沢な空間体験によって、住まい手は、視界の奥にあるであろう広大な地を想像し、移ろいゆく時間の流れの中を漂う自身の存在に改めて気づきます。

建物概要

竣工 :2020.03

用途 :​専用住宅

規模 :木造2階建て

工事 :増改築工事

場所 :群馬県

担当 :根岸陽 

構造 :POTOS DESIGN OFFICE/岡地 貴文

施工 :建築舎四季

​写真 :早川真介

掲載

​新建築住宅特集

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