ねぎし村

    私たち個人が、日常的に活動をすることができる場所は限られている。

    個人が所有している土地と、所属している学校や職場、道路や公園、役場や図書館などの公共の場である。そのほかの​​多くの土地は、塀や生垣、フェンスなどで囲い取られ、所有者の許可がなくては使用することはおろか、入ることすらできない。

    日常的に他者と共有できる場を増やし、生活に多くの選択肢を与えることができたとしたら、私たちはより豊かな暮らしを得られるのではないだろうか。

    群馬県桐生市新里町。ここに私の家族が代々受け継いできた土地がある。およそ200mの接道がありながらそのほとんどが塀で囲いとられ、土地の面積の多くは植物が鬱蒼と生い茂った雑木林となっていた。広大でありながら、閉鎖的で薄暗いこの土地が抱えている余りある資源を活用し、周辺地域に開かれた小さな村のような環境を作りたいと考えた。

    道路際の塀を一部撤去し、敷地の境界線を消すことで近隣住人とのコミュニケーションが生まれた。雑木林だった庭は、既存の樹木を残しながら余分な枝や草などを除去し、鉢植えなどを整理することで、心地よい木陰を有する快適な外部環境を獲得した。畑で育てている農作物は他者と共有し、イベントでの販売なども行っている。季節の山菜や果物は、時期になると収穫を楽しみに人が訪れる。

    よりたくさんの人とこの小さな村の資源を共有し、開かれた環境をともに享受しながら、ここで作られていく新しい日常を大切に育てていきたいと考えている。

    場所 :桐生市新里町

    担当 :根岸陽

    ​時期 :2018~

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