駅なかシェアショップオーライ

JR桐生駅の構内に置かれた小さな店舗を改修し、市民参加型の店舗として再生するプロジェクトである。市民活動の推進を目的とし、駅構内に事業所を構える一般社団法人きりゅう市民活動推進ネットワークの事業として、この店舗の運営を行う実行委員会が立ち上げられ、駅なかシェアショップオーライと名付けられた。

対象の店舗は、かつては立ち食いそば店として多くの市民に利用されていたが、閉店後の数年間はシャッターが下ろされてまま、構内の隅で放置されていた。15㎡程の小さな店舗ではあるが、駅の改札口の横に位置しており、構内からのアクセスは良く、さらには外部からの利用も可能となっていた。しかし、店内中央を横断した厨房によって内外の行き来はできず、構内の待合所から見える無機質な壁面によって、孤立した印象を与えていた。

多くの人々が行き交う駅の中において、内外を繋ぐ新たな動線を確保することと、市民参加型の店舗というプログラムにふさわしい佇まいが必要だと考えた。

厨房は必要最小限の面積で端に寄せ、内外を通り抜けができる店舗に作り替えた。また、待合所を見ることができる腰高の窓を含んだ3面開口によって、面積の制限を感じさせない広がりと明るさを店内にもたらしている。一方で、待合所から見る店舗は、桐生市産の杉材を加工した木製の格子で壁面を囲い、大きく開いた開口部から明るい店内を見ることができる。格子には棚板が付属しており、イベントや出店者ごとに商品や看板を展示しながら壁面を飾ることも可能で、店内に入らずとも駅の利用者と関係を築くことができる。加えて、駅利用者に向けた宣伝効果と、駅構内の賑わいの創出に寄与する外観は、市民の参加意欲を高める役割を果たしている。

駅なかシェアショップオーライは、より多くの人の参加によって成長する未来志向型の店舗である。この小さな施設によって、人や場や都市の間に繋がりができ、新たな人の流れを生みだすことができれば、持続可能な街づくりを目指す地方都市にとって、大きな役割を担えるのではないだろうか。

建物概要

竣工 :2021.03

用途 :​店舗

規模 :平屋建て

工事 :改築工事

場所 :群馬県桐生市

担当 :根岸陽 

施工 :宮島工務店

企画 :川堀奈知/きりゅう市民活動推進ネットワーク

​運営 :オーライ実行委員会

​写真 :早川真介

​改修前

​模型

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