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​建具の部屋

私たちが生きる世界は複雑で多様です。

周囲を見渡すと、たくさんの建物や道路、塀、水路などの人工物と、道端の雑草や庭木、遠くの山の風景といった自然物が共存した、混沌とした世界に囲まれていることに気が付きます。
本展示の会場である有燐館も、時代、素材、大きさ、工法、機能などが異なる、数種の蔵と、それらをつなぐ鉄骨の屋根や大きな樹木などが集合し、一つの複雑な環境がつくられています。

建具の部屋は、その蔵の一角に視角を限定した部屋を作り、その場所の特徴(視線の通り、古い壁の断面、空間の明暗など)を視覚的に浮かび上がらせます。

私たちが日常的に触れている時間や空間のスケール感、素材の質感、場の空気の密度感など、無意識な感覚に刺激を与え、意識を多様な方向へ向けるきっかけとなる場所を作りたいと考えました。

概要

展覧会:​Art Complex 2016

場所 :桐生市 有鄰館 味噌・醤油蔵

時期 :2016.08

担当 :根岸陽

​施工 :根岸陽 坂上敦

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