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​象 Katachi

桐生市本町一丁目に建つ築100年を超える古民家の半分を改修し、店舗兼ギャラリーとして活用する計画です。

敷地は、桐生市の重要伝統建築物群保存地区内にあります。景観保存を目的とした条例により対象建物の外観に手を加えることはできないため、内部のみの改修に限定されるなか、公共性のある展示会場として、いかに地域に開かれた場をつくるかが問われました。

古民家の可能性を信じ、建物を本来の姿に戻すことで、解決の糸口を見出しました。

建具が取り除かれた内部は、広々とした自由な展示空間を獲得し、力強い小屋組みが古民家特有の時間の重さを感じさせます。すでに魅力に満ちた空間に手を加える必要はなく、計画のほとんどを古くなった天井と床を解体することで達成しています。

解体後の床下を土間とすることで、路地のアプローチからシームレスに内外を繋ぎ、土間を囲うように内向きの縁側を設けました。開放的な空間は街の一部を延長した小さな広場のようでもあり、たくさんの人が集える大きな東屋のようでもあります。

縁側に腰かけ、店内で提供されるお茶を飲みながら展示作品を鑑賞することができ、人とアートを近づけたいという、施主の希望を体現したギャラリーとなっています。

建物概要

竣工 :2022.03

用途 :​店舗・ギャラリー

工事 :改修工事

場所 :群馬県桐生市本町一丁目

担当 :根岸陽 

施工 :岡村建業/古川和弘

    ねぎしけんちくスタジオ/根岸陽・Hussam Fattoum・大里謙

    施主/丸尾万象

​写真 :早川記録/早川真介

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